昨日の午前中、埼玉県新座市にある『平林寺』に初めて行ってきた。平林寺は、
・禅修行の専門道場をもつ関東の代表的な臨済宗妙心寺派の禅刹
・南北朝時代の1375年にさいたま市岩槻区に創建
・その後、大河内松平家の霊廟となる
・「知恵伊豆」と称された松平信綱の遺言により、その子輝綱によって1663年に岩槻から新座市野火止に伽藍が移築された
・武蔵野の面影を残す13万坪の境内林は1968(昭和43)年に国指定天然記念物になる
・境内には県指定史跡野火止用水が流れる
※詳しくは平林寺ホームページ参照
平林寺の存在を知ったのは、他の方のブログを拝見してのこと。こんな所にこのような広大な雑木林を有するお寺があったのかと驚いた。
今シーズン紅葉らしい景色を見ていないので、県内の紅葉スポットを調べてみると平林寺も載っていた。見頃は12月上旬までとあり、良い機会と思い出掛けることにした。
電車は不便なので車で行くことに。満車になる前にと開門の午前9時に間に合うよう出発。総門前の「ひるねの森駐車場」(500円)には午前9時15分頃に到着。なんとか駐車することができた。
総門入口では列ができていた。急ごしらえの受付テーブルには既に千円札がバサバサ置いてある。整理する余裕もないようだ。
受付で500円を払い、パンフレットと入場券・・・と言われて渡された紙には「一期一会」と書かれていた(裏面は一期一会と平林寺の簡略な説明が記されている)。こういうのもアリだな~と感心する。

道路沿いの「総門」から参道が伸び「山門」~「仏殿」~「中門」~「本堂」までの建造物は、一直線に配置された禅宗様式をとっており、時代の推移により変化する建造物の中で、移築当初からの変わらぬ姿を見せている。(案内板より)

総門・山門・仏殿・中門は茅葺きでありこれらの建物は県指定文化財となっている。
広大な境内林を巡る散策路は本堂の裏側に南北に拡がり、距離により3コースある。その中で一番長いコース約2.3km(約60分)を歩くことにした。といっても、地図上で確認すると、このコースが取り囲む面積は敷地の4分の1にも満たないようだ。
平林寺は至る所にモミジがある。散策路沿いはもちろんだが、建物の周りにも多く紅葉との取り合わせは見応えがある。なので、総門を抜けると参道紅葉越しの山門を写すために人だかりだ。
山門は入母屋造茅葺。2階建てで上部に屋根をもつ楼門。高さがあるので人の頭の上からでもよく見える。(総門は人だらけになるので撮れなかった。)

山門の屋根には、破風板の下に彫刻を施した板=懸魚(げぎょ)を確認。懸魚には様々な種類があるらしい。元々火災除けの意味で水に縁のある魚をモチーフにしたらしいのだが、私にはデザインを解釈できない。

仏殿は茅葺の大屋根。落ち着いた趣だ。間近にモミジが無いせいか人が少ない。皆紅葉目当てで拝観客は少ないのだな~と。

本堂は元々茅葺だったが1976年に銅板葺に改修されたという。中門からの塀で囲まれており、本殿前はマツやマキ・・・従って人が居ない状態あり。

私も半分は紅葉目当てなので紅葉の画もあるが、ここに載せると長くなるので「きれぎれの風彩」の方で取り上げることにする。ただ、この時はほぼ曇天で、お天気はイマイチ・・・。
仏殿の左側には「放生池」。錦鯉多数。

参道の左側、放生池の手前にある「半僧坊」。名前の意味も目的も分からないのだが、一直線に配置された建物群とは違った趣だった。

野火止用水の「平林寺堀」。見た感じでは水が流れることの方が少なそうだ。

「大河内松平家廟所」は約3千坪もある。散策路に近い一部しか見ていないが、五輪塔と石灯籠が建ち並ぶこのような廟所は初めて見た。少し感動した。

散策路のちょうど半ば辺りに「野火止塚(九十九塚)」がある。野火止塚には諸説あるようだが、野火の見張り台であったとする説が有力で、この種の塚が古くから各所にあって名残りを留めているそうだ。

お寺の屋外作業場(?)の近くに茅葺の小屋があった。簡易な造りだったが軒の高さが目線より低く、茅葺が間近に見れた。

おまけに、山門の金剛力士像を囲っている(名前は分からない)モノ。年輪がキレイに出て、手触りも良かった。

ちなみに雑木林の中の散策路はこんな感じ。詳しくは「きれぎれ・・・」で。


他にクヌギ林やスギ・ヒノキ林、竹林などもある。新緑の頃にも訪れてみたい所だ。
散策路を一周して建物群に戻ってくると、さらに見学客が増えていた。名残り惜しいが人だらけなので退場することにした。
この後、平林寺の敷地沿いに流れる「野火止用水」を見に行く(次回取り上げよう)。すると、雨がポツポツあたってきた。駐車場に戻る時には強風による落葉と雨がバラバラ当たる。(昼の12時半頃だった。)
駐車場を出る頃からさらに雨は強くなり、アラレ(?)も混じる。見学の方は大変だろうと心配する。でも、しばらく車を走らせると晴れてきた。天気も師走で忙しいようだ。